「大桃豆腐」さん 道中記
大桃豆腐さんを訪問し代表の大桃伸夫さんにお会いしてきました。
創業70年以上の大桃豆腐さんは、東京大空襲で焼け野原になる前は大田区で初代が豆腐を作っていましたが、戦後からは現在の池袋に豆腐店を構えました。
大桃伸夫さんは30才から豆腐を作り始め現在44才、4年前の40歳のときにお店を改装して父親から引継ぎ3代目となりました。豆腐職人として14年間豆腐を作り続けています。
先代の時は輸入大豆と硫酸カルシウムで豆腐を作っていましたが、現在の大桃豆腐さんは、作る豆腐によって大豆を替えています。大豆倉庫を見せていただきましたが、選りすぐりの国産大豆がなんと13種類もありました。
大豆に対する追及心はすごいものです。茨城県の農家で代々作られてきた品種も分からない「在来種の大豆」を自分の手で栽培しその大豆で豆腐を作っています。
本当に厳選した国産大豆を使用し、しかも糖度が15度の濃い豆乳で豆腐を作るので大豆の味が濃厚です。
また、凝固材は天然ニガリを使用し水は軟水を使っています。消泡材も使っていません。安全で美味しい完璧な豆腐を作っています。
これだけの取り組みをしていながら、あまり宣伝は好きではないとの事です。なんと、お店の看板までも無いのです。
大桃さんいわく「豆腐を食べていただいたお客様が美味しい、とまた買いに来てくださればそれで良い」との事です。
工房の設備も新しい物ばかりで、豆腐の味にこだわった結果設備にもこだわっておられました。
看板も無い豆腐屋に、買い物をするお客様が絶えることがありませんでした。
今日の大桃豆腐さんの訪問では、多くのことを学ばせていただきました。
また、豆腐職人としてカルチャーショックを受けた一日でした。
大桃さん、お仕事中にもかかわらず長時間にわたり豆腐作りや大豆について色々とご指導くださり誠に有難うございました。
看板の無い店構え | 大きな櫂で寄せる大桃さん |
濃厚な豆乳を可能にする絞り機 | 美味しかったです |
大桃豆腐
このコーナーは、豆腐職人のぶが自らの見識を広める為、折にふれ全国のお豆腐屋さんをご訪問させて頂いた時の記録です。豆腐職人として、先達の技術を学び・横の繋がりを持つこと、そしてそこで得た技術や知識を「おいしいお豆腐」という形でお客様に還元していくことを目標にこの企画を始めました。
最後に、訪問に際しては、事前に先方のお豆腐屋さんの了解を得た上で訪問しそして記事にしておりますが、万が一誤りや記事の削除要請等ございましたらご連絡下さい。